守袋とは

守袋とは

 

「守袋」とは、江戸時代の人々が御守りや護符を入れて懐中に忍ばせた小さな袋。現代では「お数珠・印鑑・お薬・アクセサリー・デジタルギア」など、御守りにこだわらず、身の廻りの大切なものを入れる小袋として様々にお使いいただいています。

 

もともと江戸の粋人たちが好みの縁起柄を誂えで染め抜き、その粋を競い合ったといわれる「守袋」。工房で一つずつ絵を描き、染め抜かれた文様は、歴史の中で育まれた縁起柄で、日々の安寧や幸福を祈る柄ばかりです。

 

物語を身に付けて

 

ポンピン堂の守袋は、どの文様にも日本に古くから伝わる意味・縁起が込められています。

現在、40種類以上を定番の柄として製作していますが、デザインの製作にあたっては、何度もスケッチを繰り返し、図案を練ることから始まります。同時に様々な資料をあたり、その図柄が生まれた由来・背景を調べ、その意味合いも含め最適な描きかたを探っていきます。

 

日本の伝統的なモチーフを描く場合でも、古典柄をそのまま使うことはしません。昔のものを昔のまま紹介したのでは「こういうの、むかし実家で見たね」「博物館で見たことある」というモノになってしまいます。

伝統を現代につなげるには、現代に生きる私たちが魅力を感じ、使い続けることが必要ーだと考えています。伝統的なモチーフを主題としながらも、表現はあくまで「一つのデザイン」として魅力を感じていただける事が大切だと考えています。

 

また、日本の伝統文様が面白い点の一つに、ただ「モノの表面を飾るだけではない」という事があります。多くの文様には長い歴史の中で込められ、伝えられてきた意味があり、文様の描かれたモノを所持することは、その「文様の意味合いを、身にまとう」という側面がありました。
文様それぞれに込められた物語を、使い手の方の暮らし中で楽しんでいただければと思います。

 

 

小さな袋に込めた想い

 

お使いいただいている方々の多くは、ご自分のお気に入りの文様を選んで、袋自体に御守りのような気持ちを重ねてお使いいただいています。また心を込めた贈り物としても、多くの方にご利用いただいています。

 

贈り先の方の顔を思い浮かべながら、「あの人にはこの柄がいいかな、それともこっちの意味の方が良いかな…?」

体調を崩した家族の回復を願って、「六瓢(むびょう)=無病息災」を意味する瓢箪の柄を贈る。仕事に打ち込む友人に、プロジェクトの成功を祈って「出世開運・勝運祈願」の「とんぼ」柄を贈る。

 

相手が近しい方であればある程、皆さんじっくり悩んで柄を選ばれます。
真剣に悩んだ柄ほど、贈り手の気持ちが重なる。

贈り手の「気持ち・想い」を、日本の伝統文様の意味に重ねて届ける「想いの依り代」として、多くの方にお使いいただいています。

 

伝統的な「型染め」の技法をベースに、一つひとつ手作りされる守袋。
和紙の「型紙」と、もち米から作られる「もち糊」をを使い、文様を染め抜いていきます。

何度も人の手を掛けることで、風合いの優しさ、柔らかさが生まれる。
そして使い手の暮らしの中で、さらにやわらかく馴染んでゆく。

 

日々の暮らしの中に根付いた、ひたむきな「願い・祈り」を象徴する袋です