文様について

浅草の型染め工房「本品堂(ポンピン堂)」の文様について
文様とは何か?
浅草の型染め工房本品堂(ポンピン堂)の型染め額装の飾り方


文様とは、自然の造形や日常の文物をもとにして「図案化」したものです。そこには、生活をしている人々が見ている視点や、大切にしている物事が映し出されています。

国や民族や地域や宗教といった枠組みにそれぞれ固有の文様があり、日本では特に数多くの伝統的な文様が残されています

本品堂はそんな日本伝統の文様を伝える継承者として、また文様に新たな価値を見出し発展させていく現代のクリエイターとして、文様を使ったアイテムを生み出しています。

文様はそれぞれに意味を持ち、奥深い背景を秘めています。しかし同時に文様は、その見た目だけでも、粋で、素敵で、ユニークで、楽しくなるものです。

まずは「かわいい」「この絵柄が好き」という気持ちだけでもOK。「生活の中に文様がある楽しさ」に触れてみてください。

 

 

文様って何がいいの?
「グラフィックとしての洗練と長い時間の中で込められた物語」
浅草の型染め工房本品堂(ポンピン堂)の守袋


伝統文様ははじめから伝統だったわけではなく、長い歴史の中で残ってきたものがこの時代に伝統文様と呼ばれています。古くは鎌倉時代にまで遡れるものもあり、江戸期には文様が象徴的かつ単純化し、デザインが磨かれ、洗練されていきました。

浅草の型染め工房本品堂(ポンピン堂)の型染め額装レイアウトイメージ


文様には様々な意味や願いが込められています。
たとえば「千鳥」は目標達成や勝運祈願、「七宝」には平和・円満、子孫繁栄という意味があり、かつての人々は文様が示す意味を知りつつその身にまとっていました

文様はこのように、デザインの面と、そのデザインが意味するもののふたつが大きな魅力です。
これらは長い時間の積み重ねで育まれてきたものです。ただし、伝統文様といっても規格が決まっているわけではありません。

本品堂では文様を現代で愛されるグラフィックにするべく、残ってきた伝統文様そのままではなく、本品堂が翻案・リデザインしています。なぜなら、古典であることそのものに文様の価値があるのではないと考えているからです。

日本は往々にしてハイコンテクストな社会と言われているように、わかる人にはわかる、そうでない人には関心を持たれないことが多く存在します。文様もまた、そのモチーフと意味とのつながりが、時代を経ることで簡単に失われてしまうものです。

デザインの楽しさや豊かさと、それが意味するもののおもしろさを味わい、人間の生活と関わりあっていくそれこそが文様が持つ価値だと思っています。

意匠や意味を過去から引き継ぎつつ、現代の人に魅力を感じてもらえるように翻案するのが、本品堂の仕事です。


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