本品堂工房メールマガジン「日々雑想」第38号
TV取材のうら側
ーーーーーーーーーーーーーーー 先日テレビの取材が入った。 テレビというと、認知度がアップするという大きな利点がある一方、緊張で普段通りにできないし、大歓迎というわけではない。編集は当たり前だが局任せ、記事のように校正はない。 しかし、子どものワークショップシーンが主体の2、3分の番組という。そこで大野と、いくつかを想定して、取材のお願いをすることにした。ところが話を詰めていくと先方が「守袋」を染めるワークショップにしたいという。これは工房でも中学生以上のプログラムで、小学高学年は保護者同伴をお願いしている、要するに大人向けの難易度の高いワークショップである。 「何年生でしょうか。そもそも小学生でしょうか。」過去の番組を確認したら未就学児童が楽しんでいるものもある。「いやまだちょっと分からなくて…」どきどき。「せめて10歳以上でないと形にならない可能性があるので」とお願いした。(しかし直前まで何年生かはっきりわからなかった。) 取材内容は、というと、私たちが予め、紺色の守袋に、大きめの円を染め抜いておく。その円の中に、子供達に文様を捺染してもらう、ということになった。イメージは、色は違うけれど守袋の「松葉」。捺染型は「彫ってもらえそうなら彫ってもらう。無理そうなら私がやっちゃう。」そして柄のお題は「ツバメ」。 さて当日。取材班とともにふたりの3年生の男の子がやって来た。打ち合わせも何もないので、小学生はここで初めて今日の作業を知る。ぶっつけ本番、緊張している。まず型紙を彫るところから始まった。これもいきなり相当の難易度の高さ。ふたりは沈黙してしまった。以前にも書いたけれど、三、四年生ともなると色々分かるのである。「むずっ(難)」と思っただろう。私が彫っちゃおうかな?と思ったが、取材班には悪いがやはりできるところまでやってもらおう。経験することは良いことだ。えっちらおっちら始めて刃先だけを気をつけながら見守る。 すると、なかなかどうして。二人は最後までねばりにねばって自分たちでやり遂げた。2−3センチほどのツバメを彫るのに、1時間かかった。二人とも、汗をかいている。撮影陣が作業中に「笑って!にっこりしてみて!」と言っているが、笑えるわけがない。彼らの真剣な顔を見よ。熟練の職人だってそんなことできない。 そして着色。どうしても、絵の具塗りをしてしまうので(絵の具のように刷毛にたくさん染料を含ませて着色すると、滲んでしまう)、ほかの生地へ練習に練習を重ねて、いざ守袋へ。・・・結局、最後まで根気強く仕上げて、ゆうに2時間半はかかっただろうか。撮影1時間の予定を大幅にオーバーしての終了。 そこで、ディレクターが「どう?面白かった??」と最後のシーンで尋ねると「うん・・・!すっごく面白かった・・・!!」にまっ!と、ここで初めて、とても良い笑顔。私は心の中で(やったあ!そうでしょう、そうでしょう)。そう、このワークショップはいつでも満足度が高い。 ただ、途中、なかなかうまく出来ないときに「図工って好きじゃないんだよ」と言わせてしまって悪いなあと思っていた。見本をよくみている証拠で、自分と比べているのだ。でも図工好きな人でも、上手になるには時間がかかるんだよ。それにこのワークショップで君たちは最年少だ。 でもこの熱い熱い2時間半を2、3分にするのかと思うと、色んな意味でちょっとドキドキしますね。サラケイ所蔵の古くからある粋な型紙も撮影していただいた。明日からまたお家ライフになりそうですが、皆さんの生活にちょっとでも爽やかな風が吹き込むと嬉しいです。 TBS「 四季折々の贈り物」放映時間:4月25日(日)午後1:57〜 また、放映に伴って、一時的にご注文が混むかもしれません。ご購入予定の方はお早めなお手続きをお勧めします。(型染め製品は全て1点ずつ工房内での手仕事のため「守袋・合財袋・お座布団」など一時的な在庫切れでも、また順次制作出来次第カートに入ります。品切れの場合でも、翌日以降に再チェックしてみてください!) 書き手:工藤資子 ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー ● 母の日の贈りもの ● 5月9日の「母の日」が近づき、工房でも贈り物のお届け、ご相談が増えています。 コロナの影響で外出も気を使いながらの毎日で、気持ちが晴れない日が続いています。「お家にいるお母さんの、毎日の暮らしが少しでも嬉しくなるように」との想いから「本縫い小座布団」のギフトが一番人気となっています。 本品堂の小座布団は、ベテラン職人・中村さんが仕立てる特別製。クッション感覚で使える事から、リビングや和室のアクセントにも人気の一品です。 型染めした生地を江戸座布団の技法で仕立て、最高級のワタを通常の1.5倍量も使っているため、パンパンに詰まったハリともちもちの触感は他にない存在感です。 染め抜かれた文様一つひとつに、日本古来の「意味=物語」が込められているのも、人気の理由です。毎日を心穏やかに過ごすことが難しい、こんな時代だからこそ、贈り手の想いを文様の意味に重ねて送る、特別なギフトが喜ばれています。 1点ずつ手仕事での制作のため、数量が限られていますが「○○日以降発送予定」として翌週の仕上がり予定分をオンラインストアに掲載しています。母の日の贈りものをお考えの方は、お早めにご検討ください! ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー ●「暮らしの商店街」中止のお知らせ● 先日からイベント出店のご案内をしておりました、銀座・松屋「暮らしの商店街」ですが、コロナウイルス感染拡大による東京都の緊急事態宣言発令により、中止となりました。 楽しみにしてくださっていた皆さま、大変申し訳ありません。私たちも店頭で皆さまとお目にかかれる事を心待ちに準備を進めていただけに、非常に残念でなりません。今は一日も早く、穏やかな日常に戻れるよう、日々の暮らしを心掛けて過ごしたいと思います。 今回、イベント向けに準備を進めてきた新柄・新製品は、5月中にオンラインストアでお披露目したいと考えています。また、5月下旬頃の土日2日間で、工房の週末販売会を計画中です。事前予約制で混雑を心配する事なく、ゆったりとお品物をご覧いただける機会を作りたいと考えています。また詳細が決まり次第、オンラインストア・SNS等でご案内させていただきますので、宜しくお願いいたします! ーーーーーーーーーーーーーーー
本品堂工房メールマガジン「日々雑想」第37号
祖母に届ける絵本
ーーーーーーーーーーーーーーー 先日母の母に、絵本を贈った。 少し認知症が進んでしまって、簡単でも字を読むと良いという。絵がついていると読みやすいでしょうから、と「絵本を探してくれないかしら」と母から頼まれた。母の母というと、薔薇の花。関西に住んでいた頃は、小さな庭に毎年薔薇の花を咲かせていた。これは結構大変なことらしい。ーー薔薇が綺麗に描かれた本はないかしら。しかし本屋さんで探した、薔薇の花が綺麗な絵本の内容は少し寂しかった。しかもちょっと長い。ファンタジーでは無いなあ。母の母はリアリストなのだ。青春は戦争のひと。いつも地面にしっかり足がついている。きっと今も芯はそうだろう。それにいくら少し分からないことが増えたからって、赤ちゃん向けでは嫌な気持ちになるかもしれない。もっと大きな本屋さんに来ればよかったかなと思いながらあれこれ悩む。 結局少し時期がずれてしまったけど「つばきレストラン」という本と「あさになったのでまどをあけますよ」「とらっくとらっくとらっく」にした。車の本?実は母の母は、バイク屋の女将さんだったので、エンジンの匂いが好き。前の二冊は絵がとても美しく、内容は希望があふれていた。会いに行くことができるなら、一緒に読むことができるのに、と思うと少し悲しい。でもその人のことをじっくり考えながら贈り物を考える時間はとても良い時間のように思う。 書き手:工藤資子 ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー ● 「母の日の贈りもの」特集 ● お贈り物にお使いいただくことが多い本品堂ですが、贈られた方からもお喜びのメッセージをいただくことがとても増えています。みなさまのお気持ちを伝えるお手伝いができることを、とても幸せに思います。 4月に入って、少しずつ母の日にむけた贈り物のご相談や、お届けが増えています。今年の母の日は5月9日(日)。送りものに人気の文様や、母の日にオススメのアイテム等、特集ページでご紹介しています。想いをお届けするギフトの検討に、ぜひご覧になってみてください。 ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー ● イベント出展予告 ● 第3回 銀座・暮らしの商店街5月7日〜5月12日銀座松屋8階にて 久しぶりとなる、工房外でのイベント出展のお知らせです。毎年参加させていただいている、銀座・松屋さんの「暮らしの商店街」に今年も出展いたします。 昨年はコロナのため中止となってしまい、2年ぶりの開催となります。銀座なので、関東県の方にはアクセスお良く、お立ち寄りいただき易い機会です。期間中は殆どの時間、大野か工藤が店頭にいる予定です。 新しいアイテムもご用意して皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!次回はどんなものが出るか、詳しくお知らせできると思います! ーーーーーーーーーーーーーーー
本品堂工房メールマガジン「日々雑想」第36号
「蔵出し市」の御礼
ーーーーーーーーーーーーーーー 3月27-28日は工房「蔵出し市」を無事開催することができました。駅から遠く離れた工房ですが、お越しくださった皆さま、ありがとうございました。 2年ぶりとなる蔵出し市。コロナ対策として、工房イベントでも初めてとなる事前予約制を取らせていただきました。どうすれば皆さんに安心して来ていただけるか。どうすれば多くの方にゆったりとした気持ちで、製品をご覧いただけるか。直前まで悩み考えながらの準備でしたが、結果的には混雑することもなく、多くの方にゆっくりと製品ご覧いただけたのではないかと思っています。その一方、事前予約制とすることでご都合と合わなかったり、ご予約が取れなかった方もいた事はとても残念で申し訳なく思っております…次回以降は、もう少し時間枠を増やすかどうか、工房で考えたいと思います。 工房でのイベント開催自体が久しぶりだったこともあり、多くのお客様とお話させてもらいながら、色々な事を感じた2日間でした。コロナの影響もあり、昨年からオンラインストアに力を入れてきましたが、やはりリアルでこそ伝わる事、またお顔を見ながらお話するコミュニュケーションって、大切だなぁと。頭では当然判っているのだけれど、改めて強く実感しました。やっぱりWEBとリアルと、どちらも大切。上手に役割分担しながら、手仕事の温度をお伝えできるようなバランスを模索していきたいと思っています。 ところで、久しぶりのお客さん達との触れ合いの中で感じた事がありました。それは「工房の規模とイメージ」についてです。 僕たち本品堂は、家族3名だけの小さな型染め工房です。僕・大野と妻で相方の工藤、そして工藤の母だけの家内制手工業。 その他に、僕たちの仕事をお客さんに伝える部分(WEBなど)を外部からサポートしてくれている大切な仲間はいますが、基本的に工房内の製作はこの3人だけでやっています。ところがお客さんとお話していると、「もっと会社っぽい感じかと思ってました」「スタッフの人が5-10人以上いるイメージでした」と言われることもしばしば。 これは僕たちの仕事の発信がまだまだ足りない証拠。うむむ、もっと普段の工房の様子も見てもらえるようにしなければ…その一方で、一つ思い当たる点もありました。 僕・大野はぼんやりして忘れっぽいところもありますが、仕事に関してはいつも「ちゃんとしたい」と考えています。モノを作ってお客さんに買っていただく以上、どんなにささやかな規模であっても、キチンとしたモノでありたいし、製品に込めた価値やメッセージはなるべくちゃんと伝えたい。規模の大小は、責任の大小ではないし、無名の一工房だからこそ、その価値を見出してくださるお客さんのために、良いものを作りたい。本品堂のモノがあることで、使い手の皆さんの人生が少しでも豊かになるもの、そんなモノづくりでありたいと、いつも思っています。 ところが、その「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが、時に企業的な雰囲気を出してしまっているのかもしれません。それはそれで悪い事ではないかもしれないけれど、でも家族で「よいしょ、よいしょ」と手を動かして製作している雰囲気も、もう少しお伝えしたいなと。今後はオンラインストアのリニューアルも控えているので、僕たちが目指す「温度感のある製品」と同様に、その「モノ」が生まれるまでの過程や背景も、今後は工房の内側・裏側も少しずつお見せしていきたいと思っています。皆さま今後とも、どうぞゆるゆるとお付き合いください! 書き手:大野耕作 ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー ● インスタライブ ●昨年何度かトライした「インスタライブ 」ですが、今年に入ってからは製作に追われてなかなか機会が作れていませんでした。 SNSやメッセージでも「次はいつやりますか?_」とお問合わせをいただいたり、先日の蔵出し市でも「また見たい」とお声をいただいたりして、ありがたいやら恥ずかしいやら… でも折角見ていただいている方もいらっしゃるので、近いうちに企画してみたいと思います。また詳細決まりましたら、メルマガやSNS等でご案内いたしますので、宜しくお願いいたします! ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー ● TV取材をいただきました ● 先月の事ですが、TBSさんに取材にお越しいただきました。 日曜日のお昼に放映されている「四季折々の贈り物」という数分間の短い番組で、小学生のお子さんが型染めの工程の一部を体験する様子を撮影いただきました。 もしお時間ある方は、ぜひご覧になってみてください!TBS「四季折々の贈り物」放送予定:4月25日(日)13:57から ーーーーーーーーーーーーーーー※次号で工藤がレポートします。
本品堂工房メールマガジン「日々雑想」第35号
オンラインストア移転のご案内
ーーーーーーーーーーーーーーー 春先の強い風が吹き、花粉症に悩まされている代表・大野です。皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。さて、今日はオンラインストア移転についてのご案内です。 多くの方にご愛顧いただいている本品堂オンラインストアですが、4月上旬に移転をすることになりました。といってもアドレス等を変更するわけではなく、通信販売のシステムを移行する内部的な引越しになります。お客様から見ていただくと、従来よりサイト全体がスッキリと整理され、また今後は様々なコンテンツもご紹介していけるようになると思います。 現在、新サイトの準備を進めていますが、なにぶん製作の合間に大野・工藤がパソコンに向かって少しずつ作業を進めています…本当は3月末のタイミングで切り替えようと考えていましたが、有難い事に今月はご注文が多くいただいており、制作と出荷を優先させるためリリース時期を少し遅らせることにしました。予定では4月8日頃のサービス切り替えを考えていますが、より具体的な目処が立った時点で、こちらのメルマガやSNS等でご案内させていただきます。 コロナ禍で、お客さまと直接お会いしてお話ししたり、ワークショップ等も開催しにくい状況が続いています。リアルに「使い手=お客さま」と触れ合う機会が少なくなった分、製作の様子などお伝えできるよう、昨年からネット上でのコミュニケーションに力を入れてきました。オンラインストアやSNSを通じてのデジタルコミュケーションが全てを解決してくれるわけではありませんが、まだまだ十分にお伝え仕切れていない点も沢山感じています。 僕が目指すのは「この製品は、どんな人間が、どんな思い・場所で、どんな仕事をして、作っているのか」が伝わるようなサイト。ただ「製品を作って→出荷して→買ってもらう」だけの場ではなく、作り手の背景や温度感が伝わるようなものが作れたらと、いつも考えています。だからオンラインストアも「売らんかな」のECサイトではなく、訪れた人が本品堂工房の空気を少しでも感じていただけるーそんなサイトに出来たらと思っています。 というわけで、何でも自分たちで手作りな本品堂のサイト更新、今しばらくお時間をいただきますが、ぜひぜひご期待いただければと思います。書き手:大野耕作 ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー ●「蔵出し市」の準備●今週に入ってから、工房では週末の「蔵出し市」に向けた準備が着々と進んでいます。なるべくお客様が混みあわずに製品を手に取っていただけるよう、商品の陳列やレイアウトを大野・工藤で相談しながら並べています。 今回はコロナ感染拡大防止のため事前予約制でご案内している「蔵出し市」ですが、まだ若干ですがご予約枠に余裕があります。2日間両日とも、お品物は十分にご用意する予定です。もしお時間あれば、ぜひお気軽に遊びにいらしてください!★ご予約は、上の達磨さんの画像をクリックしてご予約ページにお進みください。 ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー ●人気の「桜」柄● 全国的に例年より大幅に早い開花となっている桜。工房の近く、隅田川沿いでも満開に近い樹がちらほらと見られます。暖かい気温の中、青空を背景に桜を見ているだけで、なんだか気持ちがウズウズしてしまくるのは身体が春を感じているからでしょうか。 そんな中、季節限定柄の「桜」もご好評をいただいております。守袋と合財袋、そして今年は額装も加わりました。ご自分用ももちろんですが、ギフトでのご利用もこのところ増えています。桜の文様に込められた「生命力と成功の象徴」という意味からか、進級・進学や、新たなライフステージへ進まれる方への贈り物として、選んでいただいております。ぜひ春の贈り物や、ご自身の節目のアイテムとしてもお使いください! ーーーーーーーーーーーーーーー
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