ハンケチ
ハンケチの柄一覧を見る皆が必ず持っているハンカチ。
たくさんのメーカーや作り手が星の数ほどいる世界だけれど、「これぞトップクラス!」と声を大にして伝えたい、私たち本品堂のハンケチについてご紹介します。
デザインする
本品堂のデザインを担当している大野が絵を描きます。意外かもしれませんが、伝統文様もオリジナルデザインもすべて、かなり最終段階までアナログです。手で描いていきます。
デザイン決定後、生地の選定をしていきます。
生地の世界
まず、お客様にデザインで手に取っていただき、柄ごとの生地の種類の豊富さに驚かれる。
すべてコットン100%ながら
シルクのようなサテン。
極薄手のウールのような、ビエラ。
しなやかなのに柔らかい、タイプライタークロス。
透明感が美しい、極細番手のローン。
シャツ地の定番、オックスフォード。
生地ごとに肌触りも違って、それぞれの個性と魅力がある。
こんなに触り心地が良い生地がある。これは絶対に伝えたい。
普段意識することがない、織りの世界。最高級の国産生地。
一世紀前の色帳から、色をえらぶ。
色は、本品堂の母体「更銈」が代々所蔵する、色帳から選ぶ。
着物を染めるための色見本帳として古くから使われているもの。
現代は通常、色を表現するときにシアン○%、マゼンダ○%、イエロー○%、と、データの世界。
私たちは、日本の伝統色にこだわり、大部分の色をこの色帳から、再現をお願いしています。本当に一流の職人さんでないと、目で見ながらの色の再現はできません。
お料理のように見えますが、色を作っているところ。長年使用しているのに、とても綺麗な調色台。丁寧で、正確な仕事の証。
フチをよく見ると、ジグザグと細かいステッチが。これが「千鳥縫い」です。
縁の美学
ハンケチの四方の、このジグザグとした縫い方は通称「千鳥縫い」。これは高級スカーフに使用される縫い方です。ツレること・潰れることなく、四方がふっくらと仕上がります。
また、使用される糸は、シルクスカーフに使われるのと同じ、最高級の極細糸。「本品堂さんのは、生地もデザインもすごくいいから、シルク生地を仕上げる時と同じ糸にしている」と言われて、本当に嬉しかった。
とても驚いたのは、表側と裏側だと、生地の色が若干違うから、と表と裏の糸の色が違うということ。
高級な糸を使うことも、糸の色を違えることも、実は私たちがお願いしたことではない。
現場で判断してくれたことで、よりよく仕上げるために、尽力を惜しまない、職人の鏡のような人たちの仕事.
おまけ なぜ「ハンケチ」?
「現代的なアイテムに、伝統文様を描きたい」と考え、形になったハンカチ。ノスタルジックなネーミングの由来は芥川龍之介の「手巾(ハンケチ)」という小説から。
本品堂が描く伝統文様の世界を、普遍的なアイテムへ繋ぎたいという気持ちから「ハンケチ」へ。
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