本品堂工房メールマガジン「日々雑想」第32号

新しい什器がやってきた

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本品堂の工房に来た事がある方はご存知だと思うが、工房の1階には染め場があり、普段はアトリエとして製作をしている。お客様が来たり、工房で製品を販売する「工房直売会」などの際には、手前の一角に製品を並べて見ていただけるようにしていたが、常に商品を並べているわけではないので、以前から「もう少し製品を見てもらい易い棚があればなぁ」と感じていた。
 
 
そんな折、とあるご縁から新しい木製棚をお迎えすることになった。
丁度良いサイズ、丁度良い風合い、丁度良いデザイン。
そう、正に探していたイメージ通りの棚だ。
 
 
商品を並べる棚といっても、工房の一角に置くのであまり大きすぎるのはサイズ的に難しい。窓際に丁度納まるくらいの、シンプルな棚。引き出しなんかが付いていると、尚よろしい。
 
形は日本の伝統を感じさせるようなシンプルな木製棚。
でもあまり江戸家具みたいに時代色が乗りすぎているのも、ちょっと印象が重すぎてイメージじゃない。本品堂の製品は「伝統的な文化や技術を大切にしながらも、現代の暮らしにあう表現」を大切にしている。だから「古き良き」を感じさせながらも、僅かにモダンなバランスも兼ね備えたディティール。そして材は針葉樹より広葉樹が良い。
 

書きながら、自分でもずいぶんとうるさい注文だと思う。
僕も相方・工藤もそれぞれこだわりが強く、二人のイメージに合致するものを探すのはいつも困難を極める。でもそれだけに、二人の感覚が「これだ!」と一致したときの喜びも大きい。そうして今回の什器探しも、なかなか条件に合致する家具は見つからなかった。
 
ところが、「出会い」や「ご縁」というものは、ふとした拍子に向こうからやってくれる事が多い。昨日、あるご縁から見せてもらったアンティーク家具の中に「それ」はあった。
 
 
幅一間(約180cm)弱で、腰から下の程よいサイズ。
裏書きに昭和22年とあるので70年余り前のものだが、経年の割にコンデイションも悪くない。 
材は欅(ケヤキ)の無垢材で、正面から見える框(かまち)には柾目を廻し、引き出しの前板には杢板を使った良い造り。木目の使い方にも品がある。洗いをかけ、古色を綺麗に落としてはいるが、残った木味も丁度良い加減。
 
シンプルな棚が2段と、下部には3杯の引き出し。ガラス引き戸の建具に若干の反りが見られるが、お店をやる時には外してしまうので、これは問題ないだろう。何より、引き出しに付いた金具「鐶=かん」の形が良い。堂々としつつも、ややクラシックな作りで「THE・箪笥の取手」と王道を感じさせるようなデザイン。僕も工藤も「鐶」が大好きなので、これで一気に気持ちが盛り上がり、その場で購入を決定。車に積み込み、そのまま乗せて帰ることにした。 
 
 
良い事づくめのように書いたが、実はこの棚で一箇所だけ気になっていたのが、天板部分の板の割れ。経年の乾燥で杉材が痩せてしまい、割れが何箇所か入っていたのが少し気になっていた。「まあ、別の天板を載せて使えば隠れるし」などと考えていたのだが、たまたま帰りに立ち寄った別の古道具屋さんで、丁度サイズが良さそうな欅の板を発見。こういう出会いってあるんだよなぁ。棚本体と同じ欅材で、木味もしっくりくる。何だか運命的な引き合わせを感じつつ、その場で買い求めて車に積み込んだ。
 
工房に持ち帰って合わせてみたところ、棚と天板はまるで最初からそこにあったかのように馴染んで、工藤と二人で「いいねぇ」と大満足の笑み。ああ良かった。空間の雰囲気もいっぺんに変わって、とても良い感じ。これで手前の一角を、少しお店っぽく見せられそうだ。
 
 
3月下旬には蔵出し市もやる予定だし、コロナが落ち着いたら、工房直売会も定期的にやってみたい。イベントやワークショップも、やってみたい事がたくさんある。

亀のようにゆるやかな歩みだけれど、少しずつ変わりゆく本品堂の工房。
少しずつ変化する空間を、皆さんにも見てもらえるのを楽しみにしています。
 
※上の画像に写っているのが、引き出しの金具「鐶=かん」です※


 
書き手:大野耕作


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●「蔵出し市」開催の予定●
 
先日もご案内した今年の「蔵出し市」ですが現時点では3月27日(土)・28日(日)の2日間で開催を予定しています。
 
コロナウイルスの感染拡大予防のためご来場は事前予約制とさせていただきます。現在、事前ご予約の方法や、同時にご来場いただく人数の上限などを工房で相談しております。また決まり次第、メルマガやSNS等でご案内させて戴きますので、宜しくお願いいたします。
 
※今後の感染拡大の状況によっては、残念ながら開催を中止させていただく可能性もあります。その際はSNS等で速やかにご案内させていただきますので、ご了承いただけますようお願い申し上げます。
 
 
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●本縫い小座布団「栗」2月末で販売終了●
 
秋冬だけの季節限定柄として製作している本縫い小座布団の「栗」が2月28日で今期の販売が終了となります。
 
もしお買い忘れなどある方は、ぜひお早めにお求めください!(2月28日迄にご注文戴いた分は、制作が仕上がり次第発送させていただきます)
 
また、先日から人気で完売していたお座布団数柄も、職人さんの元から仕上がってきました。お家のくつろぎスペースを彩る、クッション感覚の小座布団。ぜひぜひご覧ください!
 
 
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