本品堂工房メールマガジン「日々雑想」第33号

変わりゆく時代の中で。

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「紐」問題。
 
 
まさか、こんなことになると思っていなかったのだけど、心の奥底では「いつか?」という気持ちがあることはあった。それは、本品堂「守袋」の大切なパーツ「紐」の話。
 
これを作ってくださっている職人さんが、工場を閉じるという。ご高齢なので仕方がない。跡継ぎもいないという。本当に仕方がない。ただ、16年前に私たちが守袋を作りはじめた時、日本中を探し回りとても苦労して探した紐だった。色のバリエーションもよく、レーヨンなのでやわらかく、品の良い光沢がある。最大の問題は、これが実は一軒の工場で作られていて、代替品が日本中を探してもないーということ。
 
 
悲しいけれど、守袋の紐は今後順次別の紐に変わっていきます。
合財袋の紐と同じ「江戸打ち紐」にする予定です。
 
長い間作ってきて、思い入れのある紐がなくなるのは寂しいけれど、合財袋の紐は、また別の工場さんから仕入れているので、守袋も同じ紐にすれば大小揃いになる。これはこれで親子みたいで良いのかもしれない。また具体的な予定が決まり次第、皆さんに新しい顔でご紹介できればと思います。
 
 
少し暗い話になってしまうけれど、「糸偏=いとへん」と呼ばれる日本の繊維産業(繊維・製糸・製織・縫製・刺繍など、繊維関係の文字は糸偏がつくことから呼ばれる業界用語)は、この20年ほどこんな感じで年々縮小し続けている。海外生産の安価な製品に押され、国内の小さな工場の技術が年々失われつつある。グローバル化が進み便利になればなるほど、どこかでニッチにがんばっていたものが消えて、実は多様性が失われつつある。市場には「人気がある=売れる」製品だけが残され、それ以外のものはどんどん追い出されてしまう。

でもそんな時代だからこそ、(前々回のメルマガに書いた、先日の子供との対話ではないけれど)私たちは「選ぶ豊かさ」を大切にしていたい。なぜ皆さんに本品堂の製品を選んでいただけるのか?私たちのアイコン的な商品「守袋」も、機能で分類すればただの「巾着袋」。でもこんな面倒なつくりをしている巾着なんて、たぶん日本中を探してもそうはないと思う。本当に複雑な作りなんです。デザインを描くことから始まり、試作を重ねながら、そのたびに和紙の型紙を手彫りで作る。良いバランスを考えて、一つ一つ、餅糊(もちのり)で型を付けて文様を染め抜き、鹿毛の刷毛で色を挿す(捺染)。縫製も、一般的な巾着とはちがって複雑な作りをしているため工程が多い。紐を通して仕上げたら、全量を一つ一つ検品して桐箱に入れる。仕事が混み合っていると大変な時もあるけれど、必ず大切に作る。それが伝わる人に伝わっていると、実感している。少しエラそうになってしまったけれど、これは20年のものづくりを通じて、本当に実感していること。使ってくださる人のことを考えて大切に作ると、大切に使っていただけるんです。
 
 
繊維産業も伝統工芸も、業界の未来は暗い話が多い。材料や資材の調達も、少しずつ難しくなりつつあり、変えなければならない事も少しずつ増えていくかもしれない。でもそんな時代だからこそ、私たちは手間を掛けて、他とは違ったものづくりを続けたいと思う。長い時間を越えて受け継がれてきた、技術や文化の魅力を伝えたいと思うのです。私たちの生み出す「もの」達が、使い手の皆さんの人生にとって「豊かな選択肢の一つ」である限りは。
 
 

書き手:大野耕作・工藤資子

 
 
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期間は3月27日(土)・28日(日)の2日間。
 
当日は工房1Fのアトリエをご見学頂ける他、正規の製品も一部販売しております。(正規商品では、当日すぐにご用意が難しいお品もございますので、もしご覧になりたいものがお決まりの場合は、事前にご連絡いただければご用意させていただきます)

今年はコロナ感染対策による店内混雑防止として、「事前ご予約制」という形をとらせていただきます。ご入店時にマスクの着用やアルコール消毒へのご協力をお願い申し上げます。
 
★ご予約は、上の達磨さんの画像をクリックしてご予約ページにお進みください。
 
期間中の2日間は、大野と工藤が工房で皆様のお越しをお待ちしております。 是非お友達とお誘い合わせの上、本品堂工房まで遊びにいらしてください!
 
 
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● 特別価格「タブレットケース」●
 
3月末に行われる「蔵出し市」のため先日から工房内の在庫を整理しています。蔵出し市は遠方の方はご来店いただくのが難しいため、代わりにオンラインストアでも何か特別なものが出せないか…と考えていました。
 
こちらのタブレットケースは、訳あり品ではなく正規の品物ですが、在庫入れ替えのため特別価格(20%OFF)にてお出ししています。(数量限定・再入荷なし)
 
サイズはS,M,Lの3サイズ、柄は5種類の展開です。5mm厚のウレタンが入った、デジタル危機を入れても安心感のある厚みのケース。もともとiPad用に製作したものですが、サイズが会うものなら様々な機器にお使いいただけます。
 
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